教室から窓の外を眺めていると、彼氏が他の女の子と仲良くしているのが目についた。


「はぁ。」

…またか。


「どうした?千春。ため息何かついて」


そう言いながら、窓の外を見る拓馬。


「…!?あいつ、お前の彼氏だろ!?いいのかよ…!!」


「いいの。今は、まだ好きだから」


拓馬をおいて、そのまま教室を出る。


彼の“仲の良い友達”は、二人で出掛けたり、ハグだって出来る仲。


少し、フレンドリー過ぎちゃうんだよね…


階段を降りて外に出ると、彼氏が他の女の子とキスをしてるの見かけた。


「…え?」

…嘘、でしょ…?


「…何してんの?」


思わず、あいつの元へ行って、尋ねた。


「げ!千春!!先帰れって言ったじゃん!!」


驚いたような、焦ったような彼の顔。


あ…。やっぱり。


「…浮気、してたんだ…。」


「…千春。悪いけど、別れてくんない?
やっぱさ、一人と付き合うとか無理だわ」


そっか。…そうだよね。分かってたけど、やっぱり、辛い…。



その時、急に後ろから手を掴まれた。


「お前なんか、こいつの方から願い下げだ!」


「…拓馬!?」


なぜか、正面から抱き締められるようになっていた。


「千春!行くぞ!!」


拓馬に手を握られ、そのまま彼の側を離れる。


「…何で、拓馬がいるの…?」


もう、訳が分からない…。


「えっ、と。千春が心配で…。」


心配してくれたんだ…。


「…ありがと。拓馬」