「バカか」って頭叩かれたりするかなー。



なんて思っていたのに、一向にそんな気配がない。



それどころか、フワッと頭に大きくて暖かい温もりを感じた。




「お前らも普段からそうやって甘えればいいのに。全然甘えてこねぇから」




やっとか、なんて言って俺達の頭を撫でる。




あぁ…。


やっぱ、兄貴は兄貴だった。




俺達のこうした少しの変化にも気づいてくれる。



気持ちを分かってくれる。



それを茶化したり、いい歳して何してんだ、なんて馬鹿にしたりしない。



ちゃんと、受け止めてくれる。




「仕事、お疲れ様」




ぽんぽんと優しく叩かれた頭。



その優しさに、温もりに…どうしようもなく泣きたくなった。



涙がジワリとこみ上げる。



これはきっと、恋も同じ。