と、思いきや。



ふいっとそっぽを向いて、サッカーの双子の方へ。



おいっ!!




「はははっ!!お前らじゃ嫌だってよっ!!」




兄貴、大爆笑すんな!!




「にぃ達のところに行ったら、何イタズラされるか分かんないもんね」




陽、お前あとで覚えてろ。




「よしよし、ほらおいでー」


「こっちですよー」




サッカーの双子はデザートのさくらんぼを餌に翠をおびき寄せている。



犬か、おい。




「いい子でちゅねー」


「もうちょっとでちゅよー」




いや、キモいから。


その赤ちゃん言葉やめろよ。




翠もそんな双子に嫌になったのか、急に方向転換をして兄貴の元へ。




「お?こっち来るか?」




兄貴の膝にポテンと頭を乗せた翠は、そのまま『スースー』と心地良さそうな寝息を立て始めた。




なんだ、結局兄貴か。




兄貴が気持ちよさそうに眠る翠の頭に優しく手を置く。



「いつも家事頑張ってるからな。たまには甘えてもいいだろう」




なんて言ってる。


たしかに翠は頑張ってる。


でも、この間兄貴が熱出した時も一緒に寝たのは翠だったし。




この歳になって子供か!とは自分でも思うけど、俺達だって甘えたい。



チラリと恋を見ると、恋も同じ気持ちだったようで。



うん、ならいいか。



2人でひょいっと寝ている翠を持ち上げて、慎の膝に乗せる。




「ええ!?俺!?」




なんて慌てる慎を放置。