第一あの人に何と言えば。
見ず知らずの、知り合ったばかりの男の人に。
でももしお祖母ちゃんがそういう意味でこの人と、って思ってるんなら、わたしはどうすれば…。
いやでもこの人は、なんとなくで失礼だけれど、どう見ても家庭がある雰囲気には見えない。
いやだからって。
部屋を出ると、ふっと彼が入り口に立っていた。
和平さん、だっけ。
「うっ…」
咄嗟にびくっ!!と跳び跳ね、後ずさってしまう。
「……ご愁傷さま。その、何て言っていいか。変なときに居合わせちまったな」
顔も見られず、慌てて逸らす。
と言ってもずいぶん身長差もあるので、あえてそうしなければ目線が合うこともないけれど。