「ああ、さっきの話っすねー」

マキヨは思い出したと言うように返事をすると、アイスを口に入れた。

「高校生の時っすよー。

マキが高2の時、お父さんが病気で死んだんすよー。

その時にお母さんから真実を聞かされたっすー」

そう答えたマキヨに、
「知った時、どう思ったんですか?」

愛香はアイスを食べながら次の質問をした。

「別に、何とも思わなかったっすよー。

ああ、やっぱり…みたいな感じにしかならなかったっすー」

「やっぱり、ですか?」

「たぶん、心のどこかでマキも真実に気づいていたんだと思うんすよー。

だから真実を聞いた時、やっぱり…ってなったっすー」

マキヨはエヘヘと笑った後、アイスを口に入れた。

「お父さんのせいでいじめられたのはつらかった…けど、悲しいとか恨んでるって言う訳でもないんすよー」

そう言ったマキヨに、愛香は首を傾げた。