「もう一本飲む?」


「そうしようかな」



翔が何故あたしの居場所を知っていたのか……



秀と明美が知っているんだから、翔が知っていたって可笑しくはない。


でも……―


翔が知っているということは…



「カナ。幸せか?」


「えっ?」



ビールを持って居間に戻ったあたしは突然の言葉に固まる。



“幸せ”


そんな言葉を聞くのは久しぶりすぎて、体が驚いて固まってしまった。



「いきなり何?」


「カナには幸せでいて欲しい」



そんなこと言われても、あたしにはわからない。


何が幸せなのか。


どんな事を幸せと呼ぶのか。



3年前のあの日からあたしはわからなくなってしまった。