「久しぶり。カナ」


そこには約束どおり、素敵な笑顔の宗(ソウ)が立っていた。


「ホント。久しぶり」


あたしは上手く笑えてるかな?


宗に負けないくらい、素敵な笑顔を見せてあげてるかな?


無理だよね……


今のあたしはあの頃のようには笑えない。


あの頃のように宗を見つめられない。


ザーっと五月蝿い雨音の中、あたしは傘で少し顔を隠す。


出会った頃と変わらない、宗の笑顔が眩しすぎて……