ゆめか……


浅葱にそう囁かれるたびに、あたしの現実が突き付けられる気がする。


自分で選んだ道だ。


自ら進んで選んだ場所だ。


悲しいだなんて思わない。


下唇を噛みしめ、この長い時間をやり過ごした。


「本当にいつもあっという間だな。もっとゆめかちゃんに触れていたいのに」


浅葱のその言葉であたしは今日も乗り越えたと自分を褒めてあげる。


「ゆめかも浅葱さんともっと一緒に居たかったな」


心にもない事を言っているあたしはあたしじゃない。


このステージでしか輝きを放てない、夢を売る女ゆめか。