「水谷さんのお気持ちはわかりました。……正直にお話いただき、ありがとうございました」

「いいえ、そんな……」

丁寧に頭を下げられてしまうと、恐縮してしまい、つられるように私もまた頭を下げてしまった。

でも頭を上げると、再び真剣な瞳を向ける彼女と視線がかち合い、身体中に緊張がはしる。

同じ家の中に南さんがいるとは思えないくらい静か。玄関先でお互い立ち尽くしたまま、彼女は静かに言い放った。


「私も正直な自分の気持ちをあなたにお伝えしても、よろしいですか?」

「……え?」

正直な気持ち?

思わず首を傾げてしまった私に、彼女は話し出した。

「私は物心ついた頃から、ずっと颯馬を想っています」

予想外の告白に言葉を失ってしまう。

笹本さんが南さんを好き……? それも物心がついた頃から?


さっきの笹本さんの言葉が、何度も頭の中で繰り返されてしまう。