「これ、受け取ってくれないかな?」
そのままキーケースごと私に差し出してきた。
「え……これは?」
キーケースをまじまじと見つめてしまう。
「うちの合鍵とエントランス用のカードキー。……俺が早く帰って来られる日、家でミャー待っていてくれると嬉しいんだけど」
合鍵って……待っていてくれたら嬉しいって……。
彼の言葉が頭の中で繰り返されると、その意味が理解できて次第に落ち着きを失ってしまう。
「ミャーのだし巻きたまご、食べさせてよ。……だめかな?」
南さんは本当にズルイ。「だめかな?」なんて聞き方するなんて。
そんなこと言われて「だめです」なんて、今の私には言えないよ。彼のことを意識し始めてしまっている私には言えない。
「仕事が早く終わりそうな日は、連絡ください。……だし巻きたまご、作って待ってます」
そっとキーケースを受け取ると、途端に南さんは顔を綻ばせ、私の身体をギュッと抱きしめてきた。
「みっ、南さんっ!?」
突然の抱擁に両手は行き場を失ってしまう。
そのままキーケースごと私に差し出してきた。
「え……これは?」
キーケースをまじまじと見つめてしまう。
「うちの合鍵とエントランス用のカードキー。……俺が早く帰って来られる日、家でミャー待っていてくれると嬉しいんだけど」
合鍵って……待っていてくれたら嬉しいって……。
彼の言葉が頭の中で繰り返されると、その意味が理解できて次第に落ち着きを失ってしまう。
「ミャーのだし巻きたまご、食べさせてよ。……だめかな?」
南さんは本当にズルイ。「だめかな?」なんて聞き方するなんて。
そんなこと言われて「だめです」なんて、今の私には言えないよ。彼のことを意識し始めてしまっている私には言えない。
「仕事が早く終わりそうな日は、連絡ください。……だし巻きたまご、作って待ってます」
そっとキーケースを受け取ると、途端に南さんは顔を綻ばせ、私の身体をギュッと抱きしめてきた。
「みっ、南さんっ!?」
突然の抱擁に両手は行き場を失ってしまう。