「そのせいで僕が来るたび、気を遣わせてしまい、本当に申し訳ありませんでした」

南さん……。

彼は今、どんな気持ちでお父さんに謝ってくれているのかな?


「でも決して中途半端な気持ちで、ミャーにあんなことを、したわけではありませんから。……以前もお話した通り、僕の気持ちは変わっておりません」


顔を上げ、お父さんを見つめたまま訴えるように話す彼に、胸がトクンと鳴ってしまった。

それは本当? 私……信じちゃってもいいのかな?

素直に信じたい自分と信じたくない自分が、頭の中で葛藤している。


そもそも私の気持ちはどうなんだろう。……南さんのセリフが嬉しいって思うのは、彼のことが好きだから?

だめだ、やっぱり考えるたびにモヤモヤが増えていってしまうよ。

その間も南さんはお父さんを見つめたまま。またお父さんも南さんから目を逸らさずにいた。

どれくらいの時間、ふたりは目を合わせていただろうか。

テレビの音が響く居間。お父さんが静かに言い放った。