「最近お父さん、南さんが来るとすぐ出かけちゃうので、来たことに気づかれたくないと思いまして。……申し訳ないんですけど、ご飯出来るまで気配消していてもらってもいいですか?」


チラッと彼を見上げてお願いしてみると、なぜか南さんは目を見開いた後、唇を噛みしめ、首を縦に何度も振った。


「可愛いミャーのお願いなら、気配でもなんでも消すよ。それに僕もミャーと同じこと思っていたから嬉しい」

「え、同じこと、ですか?」

聞き返すと、南さんは手にしていたケーキが入った箱を掲げた。


「僕が来るたびにお父さんが外出されるの、ずっと気になっていたんだ。これ、三人分あるから、ミャーの美味しいご飯を食べた後に食べよう」

「南さん……」

微笑む彼に胸がキュンと鳴ってしまう。

「はい」

手渡されたケーキの箱を見て目を見張ってしまった。