必死に


伝える


高尾と出かけるときに


指輪なんてあったら


常にあの女のコのことを考えてしまう



「それもそうだな



じゃあ、これ、あ、サイズ分かんねぇ。


莉緒と同じか?


女子ってみんな同じくらいなのか?」




「知らんがな、


不安なら、私の指をベースにすればいいんじゃない?


仮に大きさが合わなくてもネックレスにすればいいんだし」



お前頭良いな!


と感心しながら、レジへ向かう


店員さんは「彼女さんへのプレゼントですか~?」とこちらを見ながら笑っている



嬉しい勘違いだけど、私が彼女ではない



高尾が買っている間にお手洗いに行ってこよ



久しぶりの買い物だし


私が行くって決めたのに



つまんない




高尾の頭の中は


名前は知らないけど


あの彼女でいっぱいだから



あーーもう!




お手洗いから出てくると


高尾が近くで待っていた




「よくわかったね」


「お前が勝手に消えたから、トイレかレストラン街だろうなって思ってな」



「保護者か!」