美容院に行ってきた。


少し髪をアッシュ系にして、

大好きな彼と今日はお買い物です。


一昨日の夜、


「買いたいものがあるんだけど、女物だから莉緒にも考えて欲しい」



と言われ、


彼女への何かか


と察したけど、


もちろん返事は「行く」の即答


久しぶりだな、高尾と買い物


高校入る前は結構出かけてたんだけどな





待ち合わせ時間の五分前



駅前の大時計のところで待っていると




相変わらず眠そうな顔をして



高尾が向かってきた



「うぃっす」


「おはよー



今日どこ行く予定なの?」




「んー、まだちゃんと考えてないんだけど


駅ビルの、なんか店、女子が好きそうなとこ、莉緒知らない?」



目を擦りながらて、テコテコ私の後についてくる




「そうだなぁ、試合の時に学校の前にいたのがカノジョさんだよね。


女のコがほしがるといえば、


指輪とか?」




ていうかね、彼女のプレゼントを他の女と買いに来るってどうよ


と思うし、


友達に言ったら絶対「行くな」と反対されると思うし


「指輪かぁ


それはペアリングとか?」




エスカレーターの近くにあるフロアマップを見ながら話す。




ペアリング、、、


いやだな、それは



つけてほしくないけど



自分が彼女だったらほしいな




「高尾は?


指輪つけたいの?」





5階に行ってみよう


と言いながら聞く



「いや、こだわりがそもそもないからさ


あれだし、弁当のお礼だし」



「お弁当の度にプレゼント渡したら有り難味がなくならない?」



「あの時が初めての弁当だったからな


だから感謝の気持ちを込めて」





こんな普通な会話が



『幼馴染だかの会話』なんだ




「私がほしいよ、指輪、高尾から」




「何言ってんだよ」



笑いながらアクセサリーを見る



「だって私が世界で一番高尾のことが好きだもん」



「はいはい


お!これでいいんじゃん?

安いし、シンプルだし」




「いいんじゃない?

でもペアにしないほうがいいんじゃない?
高尾、バスケで手を使うし
邪魔になりそうだし
普段もアクセつけないじゃん」