好きになった。
そう分かった瞬間に溢れた涙はとまらなくて、落ちた雫が落書きを滲ませる。
私は視聴覚室を出て、ハンカチを大切に持った。
「あ、馬場くん…待っててくれたの?」
そこに立っていたのは馬場くんだ。
「言い忘れてた。
今は毎日来てるから。好きな時に返しに来て。…ハンカチ」
「うん」
「あと、あれは犬であってる?」
「うん」
「よく書いてるよね」
「そうかな」
「だから君だってわかったんだ」
とくんとなる心臓が苦しい。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…