「ごめん、俺好きな人できたわ」











よくあるフレーズ。


漫画で見て、こんな馬鹿な男と付き合うなんて有り得ない。
付き合う前からわかるでしょ。


と馬鹿にしていたはずなのに。





たった一言のそれで、私を奈落の底に突き落とす。






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桜が舞い散る春、駅のホームで彼から告白された。


違う制服の彼は毎朝同じ時間に時間に見かけていた。




気付いたら目が合って、この人はきっと私が好きだって思った。






目が合う度に彼から目を背けて、頬を染めてゆっくりこちらを見る。





その視線にいつしか、私も恋に落ちた。







出会いやきっかけなんて些細なものでも、幸せだったはずなのに。





なんのサインも前触れも気付かず、付き合って1年になった春の日に告白されたこのホームで言われた。




電車を何本も逃したと思う。