「・・・・・・そうですか?」
「ええ。ちょうどこのあたりが・・・・・・」
「・・・きゃっ!?」
グイと腕を引っ張られ、カーテンのせいで中から見えないベランダの隅の方に連れていかれた。
「あっ、あの、柏崎様・・・・・・」
「大丈夫ですよ。なにも怖いことはありません」
その目は完全に悪いことを考えている目だった。
「いやっ、あの・・・・・・」
柏崎さんが片手で私の両腕を掴み、その手を私の頭の上まであげた。
完全に拘束されてしまい、無防備になる私。
すると。
「案外、簡単だったな」
そう言い、柏崎さんは懐からなにかを取り出した。