「嘘はいけませんよお嬢様」
耳元で囁かれた。
「電話の内容、聞いてたんですね」
どきんっ!!!
いつもの声のトーン。いつものみか。
けれどなぜか、振り向けなかった。
冷や汗のようなものがだくだくと流れる。
「・・・・・・みか」
私は意を決して、ゆっくりと振り返った。
「・・・ごめんなさい。勝手に聞いちゃって。けど『殺す』だなんてそんなの、嘘に決まってるよね?」
あははは、と笑ってみたけれど
みかは無表情で私を見つめた。
「だっ・・・第一、一体誰を殺すっていうのよ。あのみかが・・・・・・ねぇ?」
「お嬢様ですよ」
「えっ?」