『ひなねー、みかのことだいすき!!けっこんしよ〜!』 『お嬢様。結婚というものは十六歳にならないとできないのですよ』 『そーなの?』 『はい。だからあと十年待ってください』 『そんなにまてないよ〜!いましたいの!!』 『ふふふ。いいですか、お嬢様。それに・・・』 私の夢はそこで途切れた。 「お嬢様。おはようございます」 カーテンを開け微笑むその人。 十年前と変わらない優しい声でそう言った。