「緋萌ちゃん。体育祭の種目決めた?」




「ん。二人三脚」



波留人が丸い目を限界まで丸くする。



「え~!?あれなの??なんで!」



慌てた様子で私の前に出た。



「ん?やる人決まらなかったから」



何をそんなに驚いているんだろう?



「だからって緋萌ちゃんやることないでしょ?」



めずらしくムキになってなって話している。



「大丈夫だよ。あんまやったことないけど練習するから」



つか…後ろ向きで歩いたら危ないよ!

波留人ただでさえ転びやすいんだから。



「そうじゃなくて!あれ男子と女子がペアになってやるんだよ!?」



後ろ向き危ないって!!

優しく気遣ってあげたいのに出来ない。




「知ってるよ?安達くんとペアだよ?」



だんだん苛々してくる。


自分に…



「片組むんだよ!?」


ああ…!もう限界!



「もー。そんなの波留に言われなくてもわかってるしっ!何言いたいのかわかんないよ!」



溜まらず私は無理矢理会話を終わらせて。

小走りに波留人の前に出た。








言い方最悪。


あんな言い方しなくてもいいのに。



本当、私って性格悪い―