「ごめんね?」



波留人がしょんぼりとする。


叱られた仔犬みたいな顔がめちゃめちゃ可愛いぃ。
う…ヤバイ… 顔が…にやけちゃう。



「も。いいから早く行くよ!」



私はバレないように波留人の前をズンズン歩く。








波留人のサラサラと流れる薄茶色の髪が好き。



波留人のひとなっこい丸い目が好き。



波留人の細いけど引き締まった体が好き。



波留人の長い指と綺麗な手が好き。



波留人の優しい声が好き。




波留人の頭のてっぺんから足の先まで全部が好き。







でも好きだなんて絶対言えない。



だってもし告白してダメだったら?…



もう一緒に居れなくなる。




それが怖くて絶対言えない。




だいち。



こんな意地悪な私のことを好きな訳がない―