「陽菜、なにケーキにするんだ?」


「う~んとね。やっぱ、イチゴケーキ!」


「おばさん好きだもんな。」


「うん!」


「じゃあ、陽菜はケーキの生地を作ってくれるか?材料は出しといたから…。」


「OK !!混ぜればいいんでしょ?」


「陽菜って普通にバカ?混ぜる以外に何があるんだよ。はぁー。」


「…っ〃、確認しただけもん。そんなため息つかないでよ~。」
嘘つきやがって。お見通しなんだよな~。


「あっそ。ちゃっちゃっとて動かして。」
混ぜてる間に使う材料でも出しとくか。


・ ・ ・ ・。


「蓮、できたよ!」
うん、今回は上手くできたな。ははっ。


「次、生クリーム混ぜて?ボールに氷入れて冷やしながらな。その間に生地焼くから。」


「はーい。角が立つまでだよね?」


「あぁ。覚えてたんだな。前に一回しか作らなかったのに。」


「うん、だってあのとき、」


「あのとき?」


「何でもない。」


「あっそ。」
あのときの続き気になるな。
あのときとは俺たちが10歳だったとき。
あのとき初めて陽菜と俺だけでケーキを作ってみて、でも、もう5年も前のことだぞ?よく覚えてんな。


ピーッピーッ


お、焼けた焼けた!!
いい色。


「陽菜、焼けたぞ♪ え゛ぇ」


「蓮、こっちももうすぐできるよ♪」
陽菜は生クリームが散らばっているなか、おもいっきりクリームを混ぜてて。
この作業多分普通の料理で使うと思うけど…な。


「陽菜、クリームは力強く混ぜるんじゃなくてボールの中で優しく大きく混ぜるとふわふわになるんだ。クリームはこのケーキに欠かせないものだから。」


「うん、分かった!!…でも、」


「どうした?」


「でも、私…。こんなに散らかして。蓮にも迷惑かけちゃったし、何でこうなっちゃうかな。これじゃクリームも足りないし。」
メガティブ思考になるなよ。


「陽菜…。そんなことないって。片付ければいいことだし、それにクリームだってまた増やせばいいじゃないか。」


「でも、」


「そんなメガティブ思考になるなよ。
いつもの陽菜の方が可愛いぞ///。
こんなところにクリームなんか
着けちゃって~。」
俺は陽菜の顔についているクリームを指でとって舐めてみた。


「なっ///。なにするのよ!」


「結構上手くできてんじゃん。」


「あ、ありがと。」
可愛い反応すんなよ、全く。


またクリームを作ったあと、ケーキに塗ってイチゴで飾り付けた。