目が覚めると見慣れない天井が視界に入る。
「起きた?」
え、とベッドから体を少し起こすと見慣れない部屋に見慣れない顔が。
「ど、どちらさまで…?」
見知らぬ男の人、高校生?
「も、もしかして、さささっきの!「違う」
へ?違う?
「あれだろ、金髪のナンパ男」
慌てた私だったけど、そう言われればこの人は金髪じゃなくて茶色か。
「そ、そうです…」
「あいつらは俺が潰したから大丈夫だけど、お前は大丈夫か。薬飲まされて倒れた」
「何とか…」
というか潰したってどういうこと?
「で、お前は何してんの、こんな夜にこんなところで」
「え?」
政略結婚が嫌で家出をしましたー、って言うのはどうかって話だし。
正直に言うのはあれだとして、なんて言えばいいのやら。
「特に…」
あはは、と笑ってみせると、その男は「は?」とでも言う顔をした。