15歳



高校に入って初めての、夏




私は、彼等に出会った






一緒に過ごした半年間


忘れないよ


大好きだよ


宝物だよ


またね




だから




お願い、見つけだして









女の子って面倒くさい。




私には到底理解できない。




裏切りばかりの黒い世界なんてごめんだ。




そのおかげで私には男友達しかいなかった。




だからと言ってアンナコトヤコンナコトなんて起こらない。



だから私は、男女の友情は成立派だ。







「藍奈、今日も来るっしょ?」



「えーめんどくさい」



「とか言いながらおまえ暇だろ?来いよ」




そう私に言うのは、
明るい茶髪がよく似合う、雨宮リク。


シンプルに付けられてるピアスがカッコいい。


リクもまた男友達の一人である。



藍奈っていうのはわたしの名前ね?


ちなみにリクも私も高校3年生になったばかり。



「めんどくさいから今日はいいやー」



「そー?少しは動かねーと太るぞデブ」



「刺すぞテメエ」



このやりとりが好き。


こういうところが男の良さだと思うんだ?



気を使わない感じ、最高。






じゃーなー!なんて言って、リクはバイクで去っていった。


まあ、リクは所謂不良さん?



ていうかはみだしもの代表?



だってあんなんでも暴走族の幹部やっちゃってるからね。



さっきの、今日も来るっしょ?ってやつはそういうこと。


今日も俺らの溜まり場くるよなーってこと。



だからって誰かのカノジョとかじゃないし、守られてるオヒメサマなんてものでもない。



ただの、友達。



このポジションが好き。最高に。






リクがいる暴走族は、この県では結構強いらしい。


よく分からないけどね?そういう事情は。



ただの友達だしね



「あいつ今日も雨宮さんと話してるよ」



「ね!身の程を知れって感じなんだけど!」



「むかつくよねホント。どうせ身体売ってんじゃん?」



「キャハハハッ!それな!」




売ってねえし。処女だよバァカ。



ま、慣れたことだけど、こんなの。



すぐ裏切るし噂ばっか信じちゃって人のことグチグチグチグチ…



聞き飽きたわボケ。


だから女は嫌いなんだ。







女たちの言うことなんてシカトして、帰り道を歩く。


あ〜、今日夜ご飯なに食べよっかな〜


超腹減った!今日は揚げ物の気分だな!



ちょうど商店街を歩いていると、美味しそうな匂い…


これは…カツ丼の匂い…


うぅ…よし!今日はカツ丼にしよ!



なんて、デブって言われてもしょうがないようなことを思う。



食べることは一番のストレス発散法だし!



15分ほど歩いて、ようやく家に着く。



「ただいま」



なんて言っても返事はないけど。