お兄ちゃんは、私が蓮センパイのことを好きだと知らない。
けど、「私、蓮センパイと同じとこ行きたいの!」と正直に言うと、呆れたように『……まあ、頑張ってみれば』と言ってくれた。
その日から、私は受験に向かって
死ぬほど勉強しまくった。
蓮センパイが家に遊びに来ても、会いたい気持ちを必死に抑えて我慢……それはできなかったんだけど。
やっぱり、頻繁に会えない分、たまに家に遊びに来てくれる時間がとっても貴重だから「センパイ、勉強教えてください!」と言って毎回少しだけ教えて貰っていた。
お兄ちゃんや塾の先生に教えられた苦手な数学は解けないのに、なぜか蓮センパイが教えてくれると分かって……。
やっぱり、これが愛の力か!!!!!!
なんて、馬鹿な発想で受験を乗り切った。
そして、見事、蓮センパイとお兄ちゃんと同じ高校に合格ができたのだ。