声をかけてきた方向に目をやると。




その人・・・

見覚えがあるような・・



無いような……




男は黒いスーツに、ワインカラーのシャツが胸まではだけて、タバコをくわえながら、降りてきた。



胸元にはシルバーのクロスのネックレスが鈍く光っている。




「舞ちゃんだよな?カズキだよ。隣の席の…」



きょとんとしてる私に、カズキと言う男は、笑いながら話しかけてくる。



「あ゛あ゛~」



あまりにも久しぶりすぎて・・


「やっと気がついたか。



「だって、初日以来きてないし。
それにその格好…」


「似合う?」










「いあ…ホスト……?」





カズキは、クククと口元で笑をこらえているようだった。