冬の夜空は澄み切っていて、満天の星に包まれていた。

「寒いね…」

「しっかり、捕まってろよな?」

「うん!」

街中はロードヒーティングがあるけれど、路面はツルツル。

まるで、スケートリンクを歩いている気分。

雪が降れば少しは歩きやすいのにな。

私は、転ばないように、ギュッとカズキの腕に絡み付く。

「くっつくと、転ばないし、暖かいね?」

「だなぁ。でも、転ぶ時は道連れだからな?」

「マジで?嫌だよ(笑)」

ちょんと私のおでこをカズキが軽く押して「ばーか」
と言ってきた。

そんな仕草でも、何もかも今の私には、愛しい。


「舞?着いたぞ?」

見上げると、そこには、光りのシャワーが降り注ぐ七色のアーチが目の前に広がっていた。

「うわ~綺麗!ありがとうカズキ!」

「どういたしまして。
お嬢様
来年も再来年も、お連れしますよ?」


「うん!絶対!毎年来ようね!」

ほんの少し前までなんて、私に彼氏が出来るだなんて思ってもいなかった。



たくさん色んな事があったけど、カズキ・・貴方を好きでいれてよかったよ。


「舞?」


「なぁにぃ?」

イルミネーションを見つめながら返事を返した。


「舞?抱いてもいいか?」


「えっ?どうしたの急に」


「今日のお前、めちゃめちゃ可愛いいよ。
それで…その…」

カズキにしては珍しく、緊張をしている様子。

「クスクス。私も!カズキとしたい!」




私達は、なだれ込むようにラブホテルのベットへ
崩れ落ちたんだ。