「舞…悪かったな。
嫌な思いさせて。」

「ううん。大丈夫。
ちょっと怖かったけど」



私は、交互に飛び出る黒い靴の爪先ばかり目で追いながら、下を見ながら返事をしていた。

「きつくて、冷たい話し方ばかりするけど、あれでも俺の親だからよ。
嫌わないでくれな?」

その言葉に私は、カズキを見上げて飛び切りの笑顔で返事をした。



「もちろん!
将来私のお母さんにもなるんだし、嫌いなんてならないよ。」



カズキはフフっと半笑いをして、右胸のポケットからタバコに火をつけた。

白い煙りが空に向かって立ち上る。


「ちゃんと、今から病院行ってね?そして、メールちょうだい。」


そう言って私達は、別れた。


明日は修学旅行!

早速準備しなきゃね。

ルンルン気分で私は家に帰る。