「何壁に穴開けてんだよ!!
誰が弁償すると思ってんのさ!
女が居るからって調子に乗ってるんじゃねぇ!」

「うるせぇって言ってんのが聞こえねぇのかよ?」

「誰に向かって口聞いてんだコラ!」



もはや…親子の喧嘩とは思えない程の勢いに発展している。



「スイマセン。お母さん。
今帰りますので!」

再び私は頭を下げた。



「お母さん??あんたにお母さんなんて言われる筋合いないね!!」

「…」

ごもっともです…



「カズキ私帰るから。病院ちゃんと行きなよ?」

「いいよ。送るから。」
カズキが私の腕を掴んだ。

「カズキ!!あんた何処行くの!?
明日の準備もあるし、病院って何処悪いの!?」


「後で言うから…」



カズキは、めんどくさそうに言うと、足早に私と家を後にした。


まくし立てる様に話すカズキのお母さん。

水商売一筋で、カズキたちを育てあげたから、きつい言い方しか出来なくなってしまったのだろうか?


何はともあれ…

カズキとのお母さんとの、初対面は最悪な印象でしかないようだ。