私は、ドキドキしていた。

久しぶりに顔を見て話せる嬉しさと、


もし、嫌われたら?

もし、来なかったら…

そんな考えで胸は苦しく、頭はパンク寸前だった。

口から心臓が飛びだしそうな気分だよ。


私は、一歩、一歩、カズキの待つであろうあのガードレールへ近付く。


髪あれから伸びたからわかるかな?

夕暮れとは言え、季節はもう秋の匂い。


ちょっぴり冷たい風を、正面から浴びながら、黒いミニスカートの裾をきにしながら、黒いブラウスの上から羽織った、Gジャンのボタンを軽く留めながら歩いた。



この曲がり角を行くと、そこにはカズキがいるんだ。

一度立ち止まり、小さく気合いを入れて私は角を曲がった。


そこには、愛しい、愛しい、逢いたくて、たまらなかったカズキの姿が。



カズキは、以前とかわらず、ガードレールに腰をかけてタバコを加えている。

相変わらずサラサラのブラウンの髪をしていて、ジーンズに、黒いジャケットを着ていた。

私は、カズキを見ているうちに涙が溢れ出してしまった。

何を迷う事があったんだろ。

こんなにも、愛しいと感じるのに。

私の視線に気が付いたのか、カズキは、ゆっくり、ゆっくり私の元へ近づいてくる。

「逢いたかった…」