急いで教室に戻ると、
すでに半分以上が制服に
着替え終わっていた。





フミは私を待っていたのだろうか?



 まだ体操着のまま。




私の姿を見つけると
心配そうに駆け寄ってきた。





「何があったの?」

声をひそめて話し掛けてきた。



「うん……

なんか……

カズキの事で…

ちょっと…」




「カズキの事で?
なんで舞なの?」
さらに声が小さくなる。


「なんか、好きなのか?みたいな…感じで…」


「はぁ?なにそれ…」

フミは少し怒り気味に変わった。





「でね、カズキとは、席が隣で話すだけだから…特に好きとかじゃないって、伝えたんだけどね。」
そう言う私はなぜか、胸の奥が小さな痛みを感じている。