カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編


舞SID

「いやあああ!離して!
私に触らないで!」





ユキが去って行った後・・・



私は、男二人に、顔を強く何発も殴られていた。




鼻からも口からも、血の味が広がっている。



殴られても私は、抵抗をやめなかった。





「めんどくせぇ、女だな。
ささっさと股ひらけよ!
俺のを入れてやるからよ。」






ー・・狂ってる…こいつら。





「早く入れちまえよ。
俺も入れてぇんだからよ。」





もがけば、もがくほど、浴衣は、乱れていった。






「おい!お前手を押さえろ!」





乱暴に両手を押さえられて身動き一つ取れなくなる。




汚い口が、私の乳首をなめ回す。



「ウヒャ~たまんね!」




気持ちわるい!

やめて!!!

触らないで!!!








「大人しくしろよ!
手間かけるなよ!」






そう言うのと、同時に私の中にはいってきた!








「やめてぇぇ!!!」






「うっ…すげぇ…気持ちいい…」





「なな?中出しOK?」




「いいんじゃね?
そのほうが佳子も、喜ぶだろ?」




佳子?!?



「ハァ…すげぇ、しまりいいなぁ。俺もう行きそうだ。」





そいつは、満足そうに、私の中に出すと、手首を押さえてた、男と交代をした。




私はもう、抵抗する気もなくなっていた・・・










「おーマジで。いいなコイツ!」





――カズキ、ごめんね。






「だろ?大人しくなってるからよ。
もう一度やれるぞ?」





――私汚れちゃったよ。
汚くなっちゃった…






「あいつら、上手くありつけたのか?」





――こんなにも汚れてしまったよ…





「電話してやれよ!
ダメだったら、こいつ回そうぜ?」





―ごめんね…‥カズキ‥






「今こっち来るってよ」





―もう、私愛される資格なんてないよ…





「あいつら来る前に、俺もう一度やらせて?」





―でも、カズキ…忘れないよ。






「早く終われよ!」







―いつまでも、愛してるから…












ずっと愛してるから










大好き…



カズキ…






「テメ―何してんだ!!」


遠くから・・松岡とシュンさんの、怒鳴り込む声が突然聞こえた。



私の上で腰を振っていた男は、慌てた様子で逃げ出す。




その後を追い掛けてるようで、見知らぬ男達が数人、罵声を吐きながら駆け抜けていった。






「舞!しっかりしろ!
助けにくるの、遅れて
マジでごめんな。」






松岡は私を抱きしめながら涙声で何度も…



何度も…


何度も…




謝りつづけていた。







「松岡…さん。
ユキは…?」



松岡は血まみれの、私の顔を優しく撫でながら



「大丈夫だよ」



そう言って私を抱き上げた。


「そう…よかった…」



「ユキには、平田が着いているから。心配ない。
今シュンの家に、向かわせてるから。お前は何も心配ないよ?」




松岡は、私を大事そうに抱えて助手席をリクライニングさせて、そこにそっと、置いてくれた。





「お前は…今から病院だ。いいな?」







私は、その意味をとっさに理解した。



「お母さん…に知られるの?」


「仕方ないだろうな」




「嫌だ…よ!嫌だ!
病院行きたくない!
知られたくない!」



車はゆっくり、停止する。




「駄目だ!レイプされてるんだぞ?
今病院行かないと、子供が出来てしまったらどうするんだ!!
親に知られのが嫌だとか言うまえに、現実を見ろ!!
望まない子供できたほうか、よっぽど嫌じゃないか?
それにお前はまだ、中学生だ!よく考えろ!」






松岡は、少し声を張り上げ、私の顔を覗き込みながらいっていた。



赤ちゃん……。

私は改めて突き付けらた、現実を思い知らされる。



体の痛さよりも、レイプされた悔しさと恥ずかしさで私は、涙が溢れて、止まらなかった。






「それに…そんな顔してたら、どの道、親に見つかるだろ。
綺麗になって、出直して来いよ?な?」




そう言い終わると、車は再び走りだした。










松岡の車に揺られる事、数分…。



私は、助けられた安堵と、体も心も疲れていたせいなのか?

意識を失った…。





目が覚めた時は翌日の、昼過ぎの事。



見慣れない無機質な天井が目に飛び込んでくる。




やっぱり、病院に連れてこられたんだ…。



親に知られた恥ずかしさと、顔や体中の痛みが、
あの時の出来事を必要以上に私の心に、揺さぶりをかけてくる。





嫌だっ 嫌だっ 嫌だっ

消えろっ 消えろっ






コンコン


突然ドアからノックが聞こえた。


頭からすっぽりと、布団を深々とかぶる。

誰だろうと・・・

今は話なんかしたくない。





「舞?舞?」





聞き覚えのある、懐かしい、愛しい人の声が聞こえた。





「…!!カズ…」



喉まで言葉が出た。

はっとして、慌て言葉を飲み込む。




正直、合わせる顔が私には…あるのだろうか?




こんなに汚れてしまった私を彼は受け入れてくれるの?

聞きたい。


でも…恐い…。




愛しいあの人は、静かに私に語りかけてくる。





「舞…。顔…見せてくれないか?
どうしようもないぐらい、お前の顔が見たいんだ。」











私だって見たいよ!



待ち望んでいたはずなのに。

素直に喜べないなんて…


神様って酷いよね…。





「多分シュンさんから聞いてると思うけど。
俺…捕まっていたんだ。
捕まった事は、後悔してないよ。」




甘い彼の声に眩暈をおこしそうだ。




たった布団一枚隔てた距離なのに…

なのに…




こんなにも、遠く感じるなんて…。



「―…舞?」



カズキの手がそっと布団に、触れた感じが伝わる。

ビクンッ!!!

瞬間私は叫んでしまた


「さわらないで!!」



「舞…!?」



カズキの困惑してる声が聞こえる。



本当は、死ぬほど触れて欲しい人の手なのに・・




-その時だった。




コンコン

静かにドアが開く。


どうやらお母さんが、来たようだ。


「また明日。」


そう言い残しカズキは、病室から出ていってしまった。