1…!


私達は夢中で走る。



2…!

「っ!!下駄邪魔!」
苛々しながら私達は下駄を脱ぎすてた。





3…!

走って、力の限り走って!

走り抜いて!!







16…!


「ハァ、ハァ、ハァ…
ユキ、お願い!先に行って!
私より、足早いから!
そして、助け呼んで!」





息が上がる。
苦しい。




17…!



「何言ってんの!?
二人一緒じゃないと駄目だよ!!!」



ユキも、苦しいそうに話しながら、私に言い放つ。







18…!




「このままじゃ。ハァ…
ハァ…二人…やられちゃう!
お願いだから。先に行って!」







19…!


ユキは立ち止まり、押し黙る。







20…!


「ユキ!!
何突っ立ってんよ!」





半泣きで私は、浴衣の袖を乱暴に引っ張った。






「出来ないよ。
そんな事…。
私・・カズキになんて言うの?
なんて言い訳するの?」



涙を堪えながら私に、ユキは食いついた。





その時だった






「ウサギちゃんはどこかな?」






あいつらだ…

あいつらが、もうすぐ来る。