「ありがと、悠里くん」
「どういたしまして」
うちの近くまでって思っていたのに
悠里くんは家まで送ってくれた。
「……いつも、送ってもらってんのか?」
「え?」
「真白に」
「ううん。
別れるとこまで一緒に帰ってるだけだから、
送ってもらってるわけじゃないよ」
「……マジかアイツ…」
はぁー…とため息をはくと、
悠里くんはその高い身長のおかげで私を見下ろしていた。
「ちょっとくらい攻めてみろよ。
真白に、家まで送ってほしいってお願いしてみたら?」
「え?
別に真白くんに送ってほしいなんて思ってないよ?」