下駄箱で靴を履き替え、校舎を出る。



校門を抜けようとした時。




「悠里!」




後ろから女の子の声が聞こえて、思わず足を止め、振り返った。



でも、そんな私に気付いた悠里くんは




「凛、いいよ、無視して」



「えっ…でも」



「無視して」




女の子の方には振り向かないまま、そのまま足を進めた。



私もその後をついて歩いたけど



気になって女の子の方を見ると



……泣いていた。




「悠里くん…
あの子、泣いてる…」



「いいんだよ。
優しくしたら、俺のこと引きずっちまうだろ」



「引きずる…って?」



「あれ、元カノ。
今日の昼まで、彼女だった」




元カノ…ってことは、



マミさん…。