反応が怖くて、ぎゅっと目をつむって声を絞り出した。
言った瞬間、自転車の荷台を掴んでいた手から力が抜けた。
……言った。言っちゃった。
悠里くん、どんな顔してる?
おそるおそる、ゆっくりと目を開くと
悠里くんはじっと私を見つめ、視線が絡んでもそらさない。
「凛」
「はいっ」
突然名前を呼ばれたから、反射的に返事をしてしまうと
悠里くんはクスッと笑った。
「ごめん。笑っちゃった。
笑うとこじゃないよね、これ。
……ねぇ。
それは、告白と受け取っていいんでしょうか?」
何故か敬語になってるけど、
悠里くんがあまりにも優しい顔をして言うから、そんなことどうでもよかったし、
誤魔化したりしようなんて、考えもしなかった。
「……はい」