心の準備をしている間に、



気付けばもう家の前にいた。




「まだ体調万全じゃないだろ?
今日は早く寝て、明日にはちゃんと元気になってろよ?」



「うん。
あの、送ってくれてありがとう…」




自転車からおりると、悠里くんは自転車の向きを変え、またすぐに自転車にまたがった。




「じゃ、また明日」



「あっ…待って!」




悠里くんはペダルに足をかけてこぎ出そうとしていたのに



私が荷台を掴んで自転車を止めたから、うわっとびっくりした声を発した。




「なに、どした?」



「……」




今言わずにずるずる引きずっていったら、勇気がなくなっちゃいそうで。



怖いけど



今言わないと。



今、言うんだ。