先生の話を聞くのも終わり、班ごとに別れ、人が減っていく。
「吉川さん、行こ」
「凛、置いてくぞ」
キョロキョロとまわりを見回していると、杉浦さんと悠里くんに声をかけられた。
……美音、ちゃんと班行動してるかな?
さっき一人だったから、心配だ…。
「美音のこと気にしてんだろうけど、
凛が気にしたってどうにもなんないから。
はい、行くぞ」
「わっ、ちょっ、ちょっと~……!」
強引に手を引かれ、やっと移動を始める私たち。
いまだに悠里くんの帽子を被せられたまま、目的地へと歩き出した。
「たこ焼きいっぱい食べましょ」
「なんで杉浦が食いたがってんだよ」
「早織(さおり)のそういうとこ、可愛くない?」
3人は仲良く、隣一列並んでお喋りしている。