私は泣き声が聞こえないように、布団で携帯の画面を隠した。

しばらくしてから私は再び携帯を耳に当てる。


「もしもし?ごめん、ちょっとトイレ行ってた」


「あのさ、さっきの話だけど、その
あれだよ、あれ!今流行りのやつ」


「・・・」


「だからあれ、エイプリルフールっていうやつ?
だから信じて泣くなよ。」


「もう遅いよ!」


私の頬から涙がこぼれ落ち、シーツを濡らす。


近くにあったティッシュを取るなり涙を拭き、電話元で鼻をかんだ。

これがちょっとしたお返し。



「ごめん!本当にごめん!」


「いいよ!もうー
そんなに謝られても困るだけだし」


「そうだよね。
これは嘘じゃないから信じて聞いていてくれ


いつか一緒になろうな!
今は無理だけど、俺今以上に頑張るから」


「悠真!うん!
だけど体だけは壊さないでね!」


「おう!ありがと
美莉亜、好きだよ」


「悠真、私も!」


悲しみよりもっと上である愛情に変わった。
いつの間にか私の涙は止み、自然と笑みがこぼれる。


エイプリルフールって、年に一度ならありかも!



~エイプリルフール fin~