「ことねぇ!」

「お嬢、うるさいですよー」

「あ!アイスだ!私も食べるー!」

なんだか賑やかになってきた。梨々香ちゃんと青海さんがやって来て、みんなでアイスを食べはじめる。

いらないと意思表示はしたけど、かき氷みたいなアイスをちょっとだけ口に入れられた。

そうするとやっぱり気持ち悪くなってきて、自分でも青ざめてくるのが分かる。

「“お、お水…”」

「え?お前気持ち悪いのか?」

「コクコク」

「っえ!?琴音ちゃんごめんっ!」

暁くんに飲ませてもらうけど、奏多さんはその間ずっとそわそわしていた。

何とか口の中の甘さが消えてホッとする頃には、なにかを食べさせようとはしてこなかった。

「筋弛緩の毒だったんですよね?副作用が出てるかもしれないですね」

「可能性はあるな…。まだ抜けきってないのも明らかだしな」

平沢さんに頭を撫でられる。体は元気なはずなのに、病人のような扱いに苦笑するしかない。