「〜♪♪♪〜 (お母さん)」

私は電話の音で起こされた。
ふと時間を見ると8時。
外はすっかり暗くなって
滉太は横でぐっすり寝ていた。

『蘭!もう8時だけどあんた何してるの?』

いつも遅くなる時はお母さんに
メールしているから心配して
電話かけてきたのだろう。

『ごめん今日友達のとこ泊まってくる。』

『え〜そう言うの早く言ってよ。
分かった。迷惑かけないようにね。』

お母さんにはまだ彼氏の家に泊まる
なんて言えない。

私は横になって滉太の寝顔を見ていた。

「お前見すぎ。今何時?」

やばっ。見られてた。

「ごめん。8時半だよ。」

「別にいいけど腹減った〜。」

滉太は起き上がって背伸びした。
そして私にキスをした。
今日2度目のキス。

もっといっぱいキスしたいなって思う私は
変なのかな。

「私何か作るよ。
上手にできるか分かんないけど。」

「まじ?何でもいいから食べたい。」

たまにお母さんの料理手伝ったり
私がご飯作る時もあるから
全く出来ないわけじゃなかった。

私達は1階の方にいき、
冷蔵庫を開け食材を確認した。

沢山あるわけではないけど
何品か作れるぐらいの食材はあった。

「俺も手伝うよ。何作んの?」

食材を見た限りオムライスと
ポテトサラダは出来そうだった。

「オムライスとポテトサラダにしようと思うけど
食べれる?」

「俺オムライス大好き。」

「良かった。じゃあ滉太はまず米仕込んで。」

初めての共同作業。
少しだけ距離が縮まったような気がして
嬉しかった。

「米の仕込み方分かんねぇ。」

「じゃあ私がするから滉太は見てて。」

滉太は分かったと言い隣で
私がするのをじっと見てた。

結局私が全部してしまうことになるから
オムライスの卵を焼くのだけはしてもらった。
滉太は楽しそうに焼いていた。

「ずっとこういう幸せが続くといいな」

滉太は私の方を見てそう言った。
私も実は心の中でそう思っていた。
でもそれを滉太が言ってくれたことが嬉しかった。

「ずっと俺の横に居てな。」

「うん。約束。」

私達は小指を結んで約束をかわした。

「は〜い完成。食べよっ」

卵はしっかり焼かれて少し焦げてた。
その焼き方が滉太らしくて可愛かった。

「「いただきま〜す」」

2人で一緒にご飯を食べ片付けも一緒にした。
夫婦になったみたいで楽しかった。

「蘭帰んなくて大丈夫?」

私はお母さんに泊まると言ったから
のんびりと過ごしていた。

「今日泊まっていいかな?」

「俺は全然いいけど大丈夫?」

「私はもう言ってるから大丈夫」

滉太は嬉しそうにしていた。
滉太が嬉しそうにしてるのを見て
私も嬉しくなった。

「蘭お風呂入ってきていいよ。」

「ありがとう入ってくるね。」

そう言って私はお風呂に入った。

滉太が毎日使ってるシャンプー、リンス
同じのを使っていることが嬉しかった。

そして私がお風呂から上がると
次は滉太がお風呂に入った。

私は滉太の部屋で横になっていた。

少し前までは滉太はただの友達
でも今は彼氏…

少しずつだけど滉太の性格、優しさが
分かってきたような気がした。

そして滉太が上がってきた後、
私達は隣同士に座りテレビを見て
二人で笑っていた。