「着いたぜ。」

ガチャ。
ピンポンも鳴らさず勝手に扉を開ける。
何度も来て慣れてるのかな。
学校の帰りにみっちゃんが言ってたこと
本当だったんだ。

「ほら、入れよ。」

私は頷いてお邪魔しますとだけ言った。
滉太も少し大きい声でお邪魔しますと言った。

奥の部屋から男の人達の笑い声が聞こえる。

「お待たせ。とりあえず紹介する。
こいつが俺の彼女の蘭。」

「よろしくお願いします」

私は少しだけ頭を下げた。

「蘭ちゃんって言うんだ。
俺滉太の友達の優太。よろしく」

「蘭ちゃんと滉太って同じ中学なん?」

別の男の人が質問してきた。

「そう、俺ら同じ学校で
前からメールしててそれで俺が好きになって
告ったみたいな。」

「羨ましいな〜同じ学校とか。
俺和樹よろしくね」

そうやってそれぞれ自己紹介をしていった。

1時間がたつ頃にはみんなと仲良くなれていた。
みんな問題児ばかりの人達だったけど
話しているとみんなとてもいい人達なんだなと思った。

『〜♪♪♪〜 (お姉ちゃん)』

そういうもんだよね。
楽しい時間は過ぎるのがとても早い。
まだ帰りたくないって思うけど
帰らないといけない。

また今度絶対こよう。

「みんなとたくさん話せて楽しかった。
また是非こさせて下さい。
今日はこの辺で帰りますっ!」

「おう!また来てな〜」

みんなそう言ってくれてとても嬉しかった。

「滉太帰るね。」

「ごめんな、きつかったろ?
今から送るわ」

「大丈夫お姉ちゃん迎え来てるから」

「そっか、分かった。外まで送るな。」

滉太はいつでも優しい。
こんな素敵な人と付き合えて私は
良かったと心から思える。

「ありがとう。また明日ね!」

「おう、またメールする。」

そして私は手を振った。
滉太も手を振り返してばいばいって言ってくれた。

お姉ちゃんの車に乗り込むと
さっそくお姉ちゃんからの質問攻め。

でもみんないい人だったって言うと
良かったねって頷いてた。
するとお姉ちゃんが少し真剣な顔で

「蘭、お姉ちゃんも前は滉太君みたいな人と
付き合ってたじゃん?
夜も毎日のように泊まり行って
学校もまともに行かないで
終いには高校も中退して…
滉太君の事を悪く言ってるんじゃない。
でも自分をしっかり持ってね。
お姉ちゃんと同じような道は歩まないでほしい。
お父さんお母さんと言い合いになるのはいい
時には喧嘩にだってなるよ。
自分のしたい事が親のせいで出来なくなる時
めちゃくちゃ反発してた。
けど最後に分かる。
親が言ってる事の意味が。
何でそこまでして止めるのかとか、
何で怒鳴ってくるのかとか。
けどそれは最後にならないと
分んないんだけどね〜。
でも蘭は今毎日学校行って楽しい学校生活を
送ってるみたいだからお姉ちゃんみたいには
ならないと思うけ一応アドバイスってことで。」

最後は笑いながら言った。

「うん、ありがとうアドバイス。」

話しているうちにあっという間に
家につき私はお風呂にもう1度入り
そして布団に入った。