私はお姉ちゃんの車に乗りこんだ。

「ありがとうお姉ちゃん」

「何よいきなり気持ち悪い
滉太君だっけ?大切にしてもらいなよ」

私は大きく頷いた。
やっぱりお姉ちゃんはいつも優しい。

そうして私は滉太に教えてもらった公園についた。
街灯の明かりしかなく昼とは違いとても暗かった。

何だか勢いで来てしまったけど
今になってとても緊張してきた。
私は緊張をほぐすために少しだけ
公園の中を歩き回った。

するとブーンとバイクの音がした。
ふと見ると3台ぐらいの原付きが
こっちの方にきている。

すごくすごくどきどきしていた。
夜出歩くことなんて無いし
私1人で男の人と遊ぶことなんて今まではなかった。

「よっ!」

やっぱり滉太達だった。

「こんばんわ。」

私は少し小さめの声で言った。

「なに、この子が滉太の彼女?」

「え、まじ?お前彼女いたの?」

男の人達が私のこと言ってる。
勢いで来てしまったことを
今になって後悔する。
やっぱり私みたいな人が
来る場所じゃなかった。

「そう、俺今日彼女できたの。」

「お前そういうの早く言えよ。
お前だけ彼女いて羨ましいな〜」

え、私放置されてるじゃん。
帰りたい…帰りたいよ今すぐに…
私は恥ずかしさもありうつむいた。

「蘭行こうぜ!俺達は歩いて行くから
先行ってて。」

「何だよお前ら公園でヤんなよ。」

と、だけいいみんなは
2人乗りして先に行った。

「ごめんな遅くなって。待った?」

「ううん、全然待ってないよ。」

緊張して歩き回ったなんて絶対に言えない。

「そっか。よかった。
俺お前の事本当に好きだから。」

「何いきなり。気持ち悪い〜」

私は笑いながら言った。
ただの照れ隠し、私も好きなんて言えない。
恥ずかしすぎるよ。

手に温もりが。夏の夜は涼しくて
その中を手繋いで歩いて行く私と滉太。
男の人と手を繋ぐってこんな感じなんだ。

でも滉太はきっと女の子に慣れてるんだろうな
そう思うと少し胸が痛くなった。

何だろこの気持ち…

今日付き合い初めたばかりなのに
少しずつ好きになってるのかな。

違う、メールしてた時から
少しずつ気になりだしていたんだと思う。

「今からさっきいた優太って奴の
家に行くんだけど大丈夫?」

時間はまだまだ全然大丈夫だった。

「うん、大丈夫だよ。」

「あ、でも他の男見んなよ。
お前は俺のもんだから。」

さっきから滉太は女の子が言われて嬉しい言葉を
どんどん言ってくる。

こういうことは前の彼女さんにも
言ってたのかな…
考えれば考える程嫌になってくる。
勝手に想像して勝手に妬いて
もし滉太がこんなこと知ったら
滉太はどう思うんだろう
うざい、おもいって思うのかな…

私はどうしていつもマイナス思考なんだろう
そういう自分がとても嫌になる。