中学3年の夏。

「俺と付き合ってよ。」
「私でよければ。」

恥ずかしい恥ずかしすぎるよ
人生初の彼氏、今すぐ飛べそうなくらい嬉しい
返事の仕方大丈夫だったかな。
変に思われてなければいいけど…。
「心配になってきたよ〜」

「大丈夫だって!高木君絶対気にしてないよ!
蘭考えすぎ〜告白されたぐらいで
そんなに心配してたらプロポーズされた時
死んじゃうよ〜」

みっちゃんは恋愛経験豊富で
私が心配してることなんて
みっちゃんにとってはちっぽけな悩みとしか
思わないだろう。
でもいつも一緒にいて私のこと一番に理解してくれてるのは
きっとみっちゃんだろう。
そんなみっちゃんが私は大好き。

「でも何で高木君、蘭に告白したんだろう
仲良かったっけ?
高木君あんまり学校来ないし
噂では別の中学校の人達と昼間一緒に
遊んでるって聞いたけど本当なのかな。」

「高木君とはたまにメールするくらいで
そんなに仲良いってわけでもないけど
でもメールではとっても優しいんだよ。」

「え〜。いきなり惚気〜。」

みっちゃんは呆れたように笑って
そしておめでとうって言ってくれた。

それからお互い家に帰った。

明日から彼氏がいる学校か〜。
たまには一緒に帰れるかな〜。
手とか繋いだりするのかな〜。
なんて妄想ばかりしていたら

「〜♪♪♪〜(高木 滉太)」

『何してる?』

え〜こういう時何送ったらいいの
ベットの上に座ってるだけなんだけど
返事に困るようなこと送りたくないしなぁ

『さっきまでみっちゃんと遊んでて
今さっき家に帰ってきたよ。
滉太は何してるの?』

これでいいかな?
返事待ってるのも暇だから
お風呂入ってこよう。

「蘭〜ご飯は〜??」

「お風呂入って食べる!
お母さん後から話ある〜!」

そう言ってお風呂に入った。
そしてお風呂に携帯持ってきてしまった。
いつもはこんなことしないのに。

「〜♪♪♪〜(高木 滉太)」

あ〜気になる今すぐに見たい。
でも先に洗おう。
そしてすぐに洗い終え浴槽につかった。

「ふ〜気持ちいい。よし見よう。」

『今友達と遊んでる。くる?』

くる?って言われても、
もう8時だし明日学校だし
絶対お父さんもお母さんも許してくれない。

『今日はもう無理かな。
また今度誘ってね。』

遊びに行きたいけど何考えてるのって
怒られるし行けない。

「お母さんご飯は〜?」

あ、お姉ちゃんだ!
お姉ちゃんに話してみよう。

「お姉ちゃんちょっときて〜!」

お姉ちゃんをお風呂場に呼んだ。

「お姉ちゃん今日どこか行くの?」

「友達のとこ行くよ。てかそれだけ?」

「いや違うの。私ねほら、この前言ってた
滉太と付き合うことになったの。
それで今遊んでるみたいで、くる?って言われたから
行きたいなって思って相談したの!」

お姉ちゃんは少し困ったような顔して

「今日だけよ。私が迎えにきたら
すぐ出てきてね」

とだけ言い、ご飯を食べに行った。

滉太にメールしなくちゃ。

『そうだよな。ごめんごめん。
今度昼間に誘うわ。』

『やっぱり今から遊ぼう。
どこにきたらいい??』

今にやけるなって言われても無理。
自然とにやけてしまう。
お姉ちゃんが神様に思えた。

「蘭、お母さんに話あるって言ってたけど
どうしたの?」

「あ、お姉ちゃんがお友達の所に行くって
言ったから私もついて行ってくるね。」

今はお母さんに彼氏ができたなんで言えない。
絶対に今から行くこと気付かれる。
また今度話そう。

「え〜蘭明日学校だから
早目に帰ってくるのよ。
百合、早目に帰ってきてね。」

お母さんは心配そうに言ってきた。
ごめんなさい。心の中でそう思った。

「〜♪♪♪〜(高木 滉太)」

『マジ?迎えくるけどどこにきたらいい?』

『大丈夫送ってもらうから!』

私は急いで準備に取りかかった。
少しでも可愛くなるように慣れない化粧を
頑張ってしていた。

「何やってるの〜お姉ちゃんが化粧してあげる。」

慣れた手つきでちゃっちゃか化粧をしていく
鏡を見るといつもより濃く塗られた目
そしてピンク色の頬、唇。

「はい、行くよ!」

「ありがとうお姉ちゃん」

お姉ちゃんはいつも優しい。
感謝でいっぱいだ。