「椎花、いつものことなんだから
水瀬に優冬のこと貸してあげなよ?」
呆れたように笑いながら、椎花にそう諭すクールで姉御肌な葉山和(はやま より)。
もう1人のわたしの大切な親友だ。
「慧斗甘やかしてたら、それが当たり前になって、優冬から離れなくなるんだもん」
あっという間に寝てしまったケイに、ぶつくさ文句をこぼす椎花に、ふふっとわたしも笑ってしまう。
ケイと小学校から一緒なだけあって、ケイのことよくわかってるなぁ…椎花は。
「優冬は優しすぎるんだからね!
少しは慧斗に厳しくてもいいからね!
怒れないならあたしが怒るからね!」
「ありがとね、椎花」
「いーえ!どういたしまして!」
むぅっとふてくされて、元の席について残りのお弁当をつつく椎花。
あれ、まだ食べ終わってなかったのか。