数日後


「今夜は、宴だ」


ラッキー! 夕食の支度をしなくていい!

って、私が喜ぶのには、理由がある



「キツイ…」


と、思ったら 



「くしゅんっ!」


…風邪らしい



「私は、留守番します」


「は?一人で留守番なんて無理だろ!?」


「子供じゃないし!」


「全員参加!」


「…はい」





宴が始まると
騒ぐ声の頭に響くこと…



コッソリ抜け出し、中庭で項垂れる




「これは珍しい…」

きっと、私に話し掛けている

「ほら!見て見ろ!」

チラリと男の手を見る

「何?何が珍しいんだ?」

男の手には、可愛らしい鈴
可愛いけど、珍しくはない

「こう言えばだいたいの人は、見る!」

にっこりと微笑む

その男 

きっと、私が新選組だと知ってて近づいた

私の勘が働く

この男の相手をする気力が残ってない



「噂より、美しいな… サクタだったか?」

「うん」

「良いものをやろう」



男が私に触れようとした
払い除けようと出した手は
あっさりと包まれて…

え…


唇?


キス?


は?




抗議しようと開いた口に、何やら錠剤?

口移しに流し込まれた水をゴクリ

うわっ!飲んじゃった!!!