「はぁ..」
俺は幼い頃から優梨が好きだ
優梨はそのことに気付いていない
いや、気付かなくていいんだけどさ
そんな優梨が初めて自分から本気で好きになった相手がいた
それが西島先輩だ
一目惚れしたと、嬉しそうに話す優梨の顔を思い出してまた溜め息が出る
優梨が幸せならそれでいいんだ
昔から俺の中で一番は優梨だから
けど、けどさ、そんなに辛そうな顔をするくらいなら、俺にしとけよ
何度言おうとしたことか..
「竜也が話したくなったら、言ってこいよ」
真也は真面目な表情になり俺の肩に手を乗せると、そのまま教室を出て行った
「..さんきゅ」
今は竜也の優しさに甘えさせてもらう