佳奈ちゃんは本当にずるい
自分から先輩を裏切ったのに、先輩を手放したくないと思ってる
「沢山、傷ついてるお前に気付けなくてごめんな」
先輩は私を抱き締めてきた
もう、何の後ろめたさにかられることはないんだ
堂々としてていいんだね
「俺は、卒業式前からずっとお前のことが好きだった。でも、ゆぅは俺が好きって言っても、過去形で答えたよな。馬鹿だよな、ゆぅはいつまでも俺を好きでいてくれるって、心のどこかで思ってたんだ。だから、きちんと告白する勇気が出なかった。順序の間違ったことまでした。それで、あの夜から連絡も取れなくなって、俺は京都の大学に進んだから会いにも行けなくて、ずっと後悔してた。お前にずっと、会いたかった」
ねぇ先輩
私も会いたかったよ
「ゆぅは俺のことどう思ってる?」
「私は..」
でもね、脳裏に浮かぶのは先輩と、もう一人いるの