「何で言わねぇんだよ!!」
先輩は一度離れて、私の肩を掴み怒鳴る
「お前!初めてじゃ!!!」
「それでもっ!!」
それでもね?先輩?
「ひろくんがいいって思ったからっ..」
涙が止まらない
後悔はしてないの
ただ、虚しさでいっぱいになっただけ
おかしいな、幸せになる行為なはずなのに..
《ギュッ》
「ひっく..ぅーーーっ..」
「ごめん。ごめんな。本当にごめん」
この日、私たちがそれ以上コトをすることはなかった
覚えているのは、先輩が家まで送ってくれたことだけ