「…そんなの知らないよ。
私は取り乱したり出来ない性格だし、そんな孝也の気持ちなんて知らないし。
好きじゃなかったら付き合ってないよ…」


消えそうな私の声と、誰もその後言葉を発しなくて部屋はシーンと静まり返る。


「……孝也さんの今の気持ちは分かりました。
渡したくないって気持ちがあるのと、後悔してるってこと。
それを知って留衣さんがどう思ったか、が僕達は聞きたいです。」


冷静に話しを進める日下部くんに、この子若いのに頭の回転早くて適応力が凄いなぁ。なんて感心する。


どう思ったか。
なんだかいろいろ考え過ぎて、どうしたらいいか判断つかない。


「えっと…
私はただ孝也は自分のモノを取られて悔しいだけだと思ってて、後悔なんてしてないと思ってた…。
だから私、そんなの耐えられないし、幸せになりたいって思って日下部くんと新しくやっていこうと…」


「じゃあ俺が最初から後悔してる、お前だけだ許して欲しいって言ってたら?」


孝也の言葉に、頭の中で過去に戻って考えてみる。